生まれて来るのは皆同じ
死んで仕舞うも皆同じ
憂き世を歩くは違うけど
浮き世の沙汰も金次第
一歩、二歩、
歩いて行けば
三歩、四歩、
何かに中る
皆は其れを他人の所為
何も知らずに生きる人
知ったか振りで生き抜く人
自分の身添え見ず知らず
解らなければ嘘だと言う
五歩、六歩、
心を閉じて
七歩、八歩、
乞い願う人
近くの味方知りも為ず
此の世の先には何が在る
人の世の先には人の業
廻り廻りて人に還り
其れが積もれば山と成る
九歩、十歩、
屁理屈許り
十一歩、十二歩。
曲がった心
浮かばれないで沈む人
参考元
鈴木常吉
「アイオー夜曲」